死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

20171027

 8時に起床。今日は夢を見なかった。夢を見ない日は決まって涙が出てくる――なんて感傷的な身体反応はなく、普通に起きて洗面所に直行した。

 

 またしても普通に出勤。午前中は仕事がうまいこといき、今日の分の仕事が早く終わってしまった。ここで真面目な人だったら次の仕事に取り掛かるなり、他人の仕事を手伝うなりするだろうが、そういう気もさらさら起きず、サボることにした。

 

 サボって読書――と思ったが通りかかった道に教会があったので寄った。信者でも何でもないが、腰かけるだけでもと思って入った。中には誰もいなかった。あのお決まりのステンドグラス、お決まりの像、お決まりの祭壇があるだけ。麻婆好きの神父もいなければ願いを叶える聖杯もない。hollow ataraxiaで衛宮士郎を落ち着かない気分にさせた荘重なパイプオルガンの調べも聞こえない。ちょっと異常なシスターがいないか中を探ってみたがそんなこともなかった。今日は教会に対する俺の空想が死んだ記念日だ。

 

 仕方がないのであの長椅子に腰かけ、とりあえず祈りの姿勢をやってみる。ところが、何をお祈りすればいいのかよく分からない。祈ったところでどうなるという気持ちでもあった。結局姿勢を崩さぬまま5分、やがて飽きて足を組みながらツイッターを見ていた。

 

 歩いている時はスマホで音楽を聴く。教会に入る前、Sound HorizonElysionから「Baroque」を聴いていた。スマホを弄っているうちにそれが再生される。誰もいない教会の中で鳴り出す環境音。ヤバい――と思ったが、「主よ、私は人間(ひと)を殺めました」というAramaryの歌いだしが始まり、にわかに興奮した。これだ、この場所にピッタリじゃないか。俺の代わりにMP4ファイルが懺悔してくれた。2分ぐらい流して満足し、そのまま帰った。神への憎悪が含まれたSacrificeじゃないだけありがたいと思ってほしいと思った次第。

 

 その後の仕事は普通に忙しかったが、今日は9時半ぐらいに帰宅。今日はヤフオクで田中美知太郎の『プラトン』全4巻を6000円で競り落とした。安い買い物だと思う、多分。ヤフオクで競るとき、Amazonと日本の古本屋を必ずチェックする。それより安ければ戦闘態勢に入るが、俺みたいな異常者は他にもたくさんいるので値段は若干吊り上がる。それでもAmazonでも日本の古本屋でも1万円以上はかかるアーレントの『精神の生活』を7000円で競り落としたし、大体においてはいい買い物をしていると思う。

 

 積みあがっていく本をいつか読む日が来るのだろうか? いや、俺はやるぞ。やってみせる。そう思っているが、心のどこかに棲みついた諦めは息をひそめて、俺のやる気が一瞬でも阻喪するのを待っているようだった。ここで負けてはいけない、と呟くが、それはどこか今日の祈りと似ていた。

 

 ごはん

 朝:バナナ、ボルタレン

 昼:とんかつ定食

 夜:豚肉と舞茸の卵とじうどんなど