死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

20171103

  起床は7時半。さて午前をどう過ごすかなと思ってインターネットを検索していたら、Netflixで『ボーダーランド』とかいう謎映画があった。概要を見たら「ビル・ウィリアムソン」の文字列が。これ、ザ・テロリストの主人公やんけ!!!と思って検索したら、どうやら『ザ・テロリスト』『ザ・テロリスト 合衆国陥落』に続くRampageトリロジーの最終作にして、ドイツ映画界のマル精ことウーヴェ・ボルの引退作品とのこと。『ザ・テロリスト 大統領暗殺』とか『ザ・テロリスト 最終決戦』とかそういうのにしてくれないとシリーズなのかどうかわからない。ボーダーランドだけ見たら明らかに意味不明だし、これは日本の会社の神経を疑う。

 

 一応「前回のザ・テロリスト!」を紹介すると、うだつの上がらない仕事をしていたビルがある日いきなり覚醒し、人間を殺し金を奪い友人に罪を押し付け警察を出し抜く頭のいい人殺しになったのが1作目、その人殺しが全力で政府や何やらを批判しまくってテレビ局に籠城して自分の意見を全国ネットに伝え「富裕層をブチ殺せ!!!!」とブチ上げたのが2作目。個人的には1作目も2作目も本当に好きな映画だ。

 

 今作ではビルが大統領、副大統領、国防長官を暗殺する「やっていき」ぶりを見せつける。『エンド・オブ・ホワイトハウス』や『ホワイトハウス・ダウン』など、最近はホワイトハウス関係者の命が軽い傾向にあるがそれはとてもいいことだ。人間の命は平等なので。FBIが捜査するものの、CIAやDHSが「犯人はイスラム国や!」とか決めつけて、何故かアメリカが核兵器をインドとパキスタンにぶっぱなし、国内のイスラム教徒は全員軍によって制圧され、それを中ロが支持するとかいうありえない世界線が異常なテンポで紡がれる。

 

 そんな中、ビルは恋人との間にできた子供を可愛がったり、うだつの上がらなかった頃の家族の回想に耽って何故か人間味が出てくる(ビルの母親は息子の起こした事件のヤバさに精神を病み、息子を探そうと車を運転した際に事故って死亡。父親は2作目の後に責任を感じて自殺した)。今作でウーヴェ・ボルは、もしビルが普通に生きられたら……というifを見る者に想起してほしかったのだと思う。前2作でメチャクチャ暴れて人殺しまくった奴なので、今作でも殺しまくればええし今さら人間味いるか……?という意見には一理あるが、俺はこれらのビルの描写は映画に一定の深度を与えたと判断したい。また、ビルを懸命に追うFBI捜査官の家族の話を出したのもいいコントラストだ。これまでの作品にはあまり見られなかった丁寧な描写だったと思う。

 

 一方、後半になったらただの殺し合いに突入する。大統領暗殺犯としてビルを捕まえに(いやもはや殺しに来た)FBI+SWAT+地元警察にビルは地雷や遠隔操作する機関銃で対抗する。ここら辺は正直ずっとチープな感じだ、低予算映画だねという感じ。そして、あのB級的な装甲(ググってくれ)も今回は銃弾を食らい過ぎたのか、不死身と思われたビルも結局死んでしまう(FBI勢も全滅)。

 

 だが、その後はビルの支持者が一斉蜂起し、ブッシュを殺し、マイクロソフトのCEOを殺し、マーク・ザッカーバーグを殺し、テイラー・スウィフトブリトニー・スピアーズも殺す。ここまでメディア=傍観者に徹してきたテレビアナウンサーたちが、これまで何もしてこなかったがビルに促されて蜂起したホームレスによって殺害されたのが痛快だった。俺はやる、やりたい、やらなくちゃ、それはカスと同じ精神を感じた。そうなんだ、俺はやる。

 

 ザ・テロリスト三部作はうだつの上がらない陰鬱な人生を送っている俺のひとつのアンサーじゃないかと思った。蜂起の第一関門は自分のやってるくだらない仕事にさっさとおさらばすることだろう。今後も事あるごとに見返して、自分を奮い立たせていきたい。

 

 午後はずっと寝ながらドラえもんを見ていた。これからはゲームします。明日仕事なので……(虚ろな目)

 

 ごはん

 朝:会社からパクったまんじゅう

 昼:回らない寿司

 夜:二郎系インスパイア