死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

四方山話20200503

 ドラえもんリアタイ視聴感想を永遠に投稿し続けるだけの機械になりてえ。

 

 まずは「気球で世界一周!?」から。これ確か大山版ドラえもんでもアニメオリジナルであったよね。おじいさんと娘がスイスかどっかから飛んでいくみたいな話(関係ない話を括弧で開陳するけど、小学校の頃俺は水泳クラブに通っていてその帰りに必ずレンタルビデオ店ドラえもんのビデオ借りてたので俺はこういうのにも詳しいんだ)。ネットで調べると初出は1980年代で、まだ気球で世界一周というのに人類が到達していない頃に放映されたわけだ。だが、20世紀末に気球による世界一周は成し遂げられてしまったので、このリメイクはかなり笑ってしまった。それに、気球を結局ドラとのび太が操作しているという意味ではデウス・エクス・マキナを地で行くやり方なので、それでいいのかよとなってしまった。とはいえ、のび太ジャイアンスネ夫をやり込める計話は基本的には好きですね。根が陰キャキモータなので。

 

 次は「大ピンチ!スネ夫の答案」。原作の奴ですね。「22世紀FBI」とかいう狂った組織の存在が明かされたわけだが、何をするんですか? 22世紀になっても人類は凶悪犯罪や組織犯罪を撲滅できていないんですか? というか暗号解読はFBIよりNSAの仕事じゃないんですか? そもそも主権国家は存在するんですか? のび太が赤ちゃん作った回で国連軍の存在は仄めかされていたので、個人的には地球連邦みたいなのを勝手に想定していたのですが……。FBIはFederal Bureau of Investigationの略ではなくFuckin' Brat of Illuminatiの略であってほしい。千人の年寄りとかいう国民突撃隊最後の大隊の存在や、秘密書類やきすて銃の威力がBorderlandsのバカ武器っぽいオーバーキル感など、ツッコミどころ満載のクレイジーサイコ回でしたね。

 

 ドラえもんに関連して。4月29日の朝日新聞朝刊で、ドラえもんが「だいじょうぶ。未来は元気だよ」と言っているクソデカ広告がある。俺もそれを持っていて自分の部屋にピンで止めているのだが、「無責任なこと言ってんじゃねえ!」「広告屋の寒い文章ですこと。電通の笑い顔が浮かぶのよ」などというハスった意見が続出しプチ炎上しているらしい。そういえばサザエさんも反ステイホーム回を流して炎上したらしいね。プロメテウス様、お願いしますから人類から火とそして一切を取り上げてください。あなた様が与えた全てで人類は途方もないリストカットを繰り返しております。あなたが岩石に縛りつけられ、猛禽に臓腑を啄まれるエヴァ2号機みたいな責め苦を受ける価値はこの蛆虫連中にはないのでございます。そう言いたくなるぐらいバカバカしい。

 

 上記の問題で言うと、そもそも「無責任」とは何なのか。この未来は元気だよという発言に対して「無責任」だと批判されるようなほどの、「あるべき責任」とは何なのか。行政には中長期的に感染拡大を出来る限り抑える責任がある。感染を抑えることが社会的な合意である以上、個人や私企業にも相応の責任が生じる(それがどれだけ不十分な法的構成のもとであったとしても)。この観点から希望的な観測を振り回すことは慎むべきだという議論はまあよしとしよう。しかし、2112年でも新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっていて、未だにAI小池百合子が「ステイホーム。おうちにいましょう」と連呼する自宅待機型管理社会で生きることを人類が余儀なくされたとして、さて誰に責任があるのか? その時黄ばんだドラえもんの広告を引っ張り出して焚火に投げ込むことで気がすむのであればそうすればいいが。(この問題はコロナの犯人捜しをするような社会の空気にも相通するものがある。だがこのようなことに意味はない。犯人はCOVID-19なのであるが、それは逮捕も公訴提起もできない相手であるというだけだ)

 

 あるいは、こうした国民的キャラを利用した広告屋という「意図」を提示することで悦に入る左翼小児病評論家気取りにご注進申し上げたいのは、あなたのそういう行動はただの「内幕情報屋」的なメンタリティの発露でしかなく、そこに批判精神はありませんよということだ。背景がそのままある価値判断に直結するのではなく、背景も根拠のワンオブゼムでしかない。もっと具体的に言うならば、電通が如何にクソであっても、クソから生まれるものが全てクソということにはならない。少なくとも俺はこの広告にはある種の希望を感じずにはいられなかった。もちろん俺が熱烈なドラえもんファンであることも勘定に入れなくてはならないのだが。

 

 「炎上」という表現は本当に言い得て妙である。人類の火に対する直感的なイメージは「一切の破壊」と結びついている気がする(エクピロシスからホーソーンの短編まで)。そこには健全な批判精神や建設的な営みが全く存在しない。壊して壊してきもちいーしましょうねって、あんみつよもぎ亭の東方おねショタエロ同人で軟弱者にされてその後の人生で何ら成し遂げられない低級なジャップオスかよと言いたくなる。まあそれが人類の根本欲求であるという悲観的な結論を受け入れるとして、始末が悪いのは、高度に発達した放火魔を思慮ある人間と区別ができないバカが多すぎることだ。植松の旺盛な殺意でさえ追いつかなくなるぐらいにバカがたくさんいるので、障害者差別など何ら意味をなさない。そしてこの世はそのようなバカを大量に増殖し、そうした世論を極大まで増幅できる。エコーチェンバーだのサイバーカスケードだの専門用語を繰り出すまでもない。そして、思慮ある人間はこの「際限なく続く敗北」に耐え続けるしかないのである。

 

 この世、人類とクソでけえ主語ばっかり使って話をしてしまったが、ここは5chよりもクソな雑談を投げ落としていく現場なので気にしないでいこう。プロメテウスつながりで、ちょうど今日アイスキュロスの『縛られたプロメテウス』と『ペルシア人』を読んだ。後者は正直当時の演劇が行われた状況(つまりペルシアに対する勝利者としてのアテナイ)を度外視するとクソつまんねえなと思ったし、前者も三部作の最初として考えられているためか、「それでそれでこれからどうなるん? エッ、断片しか残ってないからよくわからん!?マジかよ!?」となってしまった。ただそういえば、ガイアとテミスが同一視されているなとか、通常のギリシア神話との異同が少しだけ気になった。まあGWのいい暇潰しですわね。

 

 どんどん雑談のギアをあげていく。Watch Dogs 2をクリアしました。2016年のゲームを今さらクリアしたのかという感じなのだが、俺は本も積めばゲームも積む。全ての電子製品に内蔵されたOSによって実現する究極のIoT、そしてそこから蓄積される莫大なビッグデータ、そして蓄積したデータを基に人間の行動を統御するアルゴリズム……とシリコンバレーディストピアもの詰め合わせセットという感じのゲームだった。ストーリーは前作と比べると、かなりボヤッとしていてついていけないところも多かったのだが、全体としてはサンフランシスコの陽気にお似合いなのかもなとオモタ。オープンワールドとしての出来はかなりいいと思う。早く最新作もプレイしたいので、UBISOFTさんお願いします。6月までに出してくれたらアルティメットエディション買います。

 

 最後に。麒麟がくるマジでおもろい。