死者の如き従順

全ての陰謀に関与する戦闘的ジェスイットの身辺雑記

四方山話20200512

 ドラえもんの感想を書き続ける。その理由は誰にもわからない。だけど、地球最後の日はドラえもんの感想を書いていたい。そして大きな木にのぼりたい。

 

 1本目は「メモリーローン」。アニメオリジナル回ですね。メモリーレーンという言葉が英語にもあるので、それを捩っているのかなと思った。思い出を質屋にブチ込んで金をもらう(その思い出は金を返すまで忘れてしまう)というなかなかエグいひみつ道具で、ドラえもんの中の倫理観が死んでいるっぽい(大体スネ夫の川に落ちた野球ボールの弁済なんか手榴弾投げときゃええ。俺はあのシーンを見てラッダイト運動の正しさを確信した)。我らが聖痴愚野比のび太は早速いろんな思い出を売り飛ばして小金を得る。この道具の面白いところは、いらない思い出を質屋に入れるためには金をブッ込む必要があるということだ。そういうわけでのび太は、欲しかったゲームを手に入れるという欲求(これは思い出と違う気がするのだが、まあそこは子供向けアニメってことで)を金払って忘れるというプレイングで、金を得るために全てを忘れることを未然に回避したわけだ。思い出ってなんだよ。

 

 2本目は「おれさまをグレードアップ」。これはもう原作にもあったね。原作のバカバカしさをうまいこと潤色した良回でした。クッソつまんねえ漫画にグレードアップ液をたらして面白くするのほとんど犯罪的だよな。

 

 ひっさびさに会社に行ったのだがメチャクチャ疲れた。何をしたのかすらよく覚えていないので、それ以外の感想がない。いつの間にかもう二度と出勤できないねえという身体になっていた。死ぬほど肩こりがひどく、そのため家帰って飯食って風呂入った後2時間ぐらいダウンしていた。明日は行かなくて本当によかった。

 

 最近ギリシア悲劇を読んでいます。アイスキュロスはとりあえず全部読んだので、今はソポクレス。三大悲劇詩人の中ではソポクレスが一番好きなんですよね。やはり一気に読んでいくと違いがわかるんですけど、狂言回しもやっちゃうぐらいにコロスに重きを置くアイスキュロスよりも、演者の言葉の細かい掛け合い(クレオンとアンティゴネー、オイディプスとそのなかまたち……)みたいなのを積み立てて劇を動かし、コロスには教訓めいたことを歌わせるソポクレスの方が、言語偏重的なので。劇に対する評価としてはどうなのとは思うが、レーゼドラマのようにギリシア悲劇も「読まれる」ものという側面もあると思いまふ。あと、悲劇の絶対的係累というか、その運命の呪わしさをよりドラマチックに仕立て上げているのは、アイスキュロスアルゴスよりもソポクレスのテーバイなのである。昔岩田靖夫が『ギリシア思想入門』のギリシア悲劇のところで唐突にギリシア悲劇的な問題設定として慰安婦問題を持ち出してきて、「はぁ?」となったことがあったのだが、改めてオレステイア三部作やアンティゴネー、オイディプス王を読んでみるとそんな気がしなくもないのである。人類は生き続ける限り、この壮大な生の呪いを甘受する限り、我々にとってギリシア悲劇は未だに新しいものである、とクソ人文漫談っぽい置き方をして締めます。もう肩こりが酷くてパソコンに向き合ってられないので。おつかれしたー。