死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

無が充つる……

 タイトルのとおりです。終わりの始まりっぽいので。

 

 先週金曜日に仲のいい大学の同期と飯行ったんですね。でまあ焼肉食べ放題だったんですわ。飲み放題つけて6000円の。まあ久方ぶりの食べ放題だったので、月曜日ぐらいから楽しみにしていて、よっしゃー食うぞーバリバリーと思って意気揚々と店に入ったんですね。

 そして早速豚タン(正直これはすたみな太郎より美味しくなかった)と2人前分の国産牛セット(これはまあまあ)みたいなのを食ったのですが……そこでその同期と一旦箸休めしようかとなったんです。いやね、確かに国産牛セットの中にカルビとかトモサンカクとか脂が乗った肉もあったんでね、脂っこいもんは20代後半にはキッツいなーとか、そういうこともあったのかもしれないですね。ただ、その時確かに俺が覚えた感情は明々白々に「あっ、もう今日こんぐらいでいいかも」だったんですわ。そう、皆さんご承知のあの言葉、「腹八分目」だったわけですね。

 普段であれば焼肉食べ放題なのでLOになる前に肉を焼いて口に放り込むだけなわけですが、その後は何故かイカとかエビを焼いたり、にんにくのホイル焼きや野菜セットを焼いたり、あろうことかフライドポテトを頼んだりと好き放題やらかしました。焼肉食べ放題で肉を焼かないというある種の贅沢(by同期)を楽しんだ後、ロースとハラミや国産牛の内モモやイチボをちょっとずつ焼いて、最後は冷麺を食ってフィニッシュしました。

 正直に言うと、今まで平均的に食べてきた焼肉食べ放題の2分の1も胃にブチ込んでいないと思う(その証拠に2件目に行った曖昧なパブでビール飲みながらスコーン食ってたので)。この経験は2日経った今でも引きずるほどショックだった。何故なら俺は大学時代はメチャクチャな大食いではないにしても、それなりの量をパクパク食べて平気でいる「健啖家」ということを自他共に認めていたからだ。10年の歳月の重みがこの経験に一気に乗っかってきたっぽく、端的に辛くなったのである。

 

 とはいえ、人生の無はこれだけではない。最近面白い本を読んだのでどれブログでも書くかと思ったら、すっかり内容を忘れてしまった。人生は有限だから早く読まなきゃ……って思った途端、理解度も低くなり、記憶にも記録にも残らんくなってしまった。前のエントリでは、別にそれでもええやんと書いたのだが、これはブログで記事を書こうかなと思っていた手前、何か壮大な時間の無駄をしてしまったような気がしてならないのである。

 また、最近は意識的に洋書をそこそこ読むようになったのだが、英文解釈スキルがまだまだクソなので、ちょっと構文だったり配列だったりが難しい英文が差し込まれると、その内容を読み込む前にまずは英文を英文としてちゃんと理解するという前段階に時間をかけてしまい、読み終わってみると「あれ結局何が言いたかったんや???」となってしまうこともしばしばである。こういう時はもうDeepL君に読んでもらおうかなと思わなくもないが、悲しいかな今読んでいるのが紙書籍オンリーなので厳しい。今のところ解決策は英語運用能力を高めるしかないが、また勉強かよやだな……という気持ちになっている。

 ブログも最近は書くのが辛くなっている。1パラグラフを書くごとにちょっと休憩して他のネットサーフィンをしてしまう。昔ならば2000字ぐらいはバーッと集中して書けたのだが、今はこれに限らず何でもかんでも休み休みやっている。そのせいか、文章のリズム感というか、唐突に文体が変わってしまっているような気がしている。あと、書いている間に考えがコロコロ変わるので、あとで実際読み返してみると、パラグラフ=部分がひとつつのエントリ=全体をなしていないというか、何かツイッターのつぶやきの羅列みたいになってしまっているような感じがするのである。

 

 さはさりとて、前のエントリで書いたもう労働を究めるしかないのでは???みたいな話についてもちょっと暗雲が立ち込めている。というのも職場のありとあらゆる人から異常者っぽく扱われていることが判明し、異動でやってきた人は前評判を聞いているためかよそよそしく、今まで一緒に働いている人たちからは適当にあしらわれている感じがする。そして何故か異常案件だけはたくさん俺のところにやってきて「よくわかんねえけどとりあえず仕事任しとけ」みたいな立ち位置になっていて、これはこれで大変辛い。とはいえ、今さら人間的暖かみのあるコミュニケーションなぞこっちから願い下げなのでこれはもうこれで甘受するしかない。ただそういう人間が労働をバリバリやったところで出世できるかというとそんなことはなく、きっと傍流で馬車馬のごとく働かされるだけでしょう。何か仕事の将来もだんだん見えてきちゃったので普通にそれが辛い。こんだけやっても天井が見えているので、本当どうしようかなという感じだ。

 

 金曜の焼肉食べ放題の時に同期ともちょっと話したのだが、今の俺はまさにアイデンティティクライシスの真っただ中にいると言っていいだろう。しばらくこの苦しみから抜け出せそうになく、多分マジでちょっと道を間違えれば完全無欠の無趣味無感動おじさんが出来上がり、このまま淋しく死んでいくだけだろう。

 それはもう致し方ないことであるし、諦めて大人しくしょうもない人生というのに全額ベットしてもいいだろう……という誘惑に毎日負けそうになっている。しかし、しかし、と、大学時代の思い出を思い返しながらそれに抗っている自分もいる。呪いであり希望でもあるその思い出が、今何とか自分を究極の無の砂漠へ向かうことを押しとどめている。

 とはいえ、もう昔のようには戻れないということだけははっきりしている。いつかの記事で昔並に戻れたらいいな、なんてことを書いたが、そんなことは無理なのである。衰えていく身体と脳を鞭打って悪化させても致し方ない。自分の身の丈にあったことをやり続けるしか今のところ抵抗の手段はないのだろう。今週の土日もマジで無為なことばっかりして過ごしたが、そろそろ生活を根本的に変えていかないといけないなと思っている。いやずっと思っていてこの体たらくなのでダメなんだろうという気がするが……。まあ、とりあえず今日はこのエントリを書いたのでよしとしたい。身の丈に、身の丈に。今後40まではこの言葉を大事に生きていきます。もう焼肉食べ放題は行きません。