死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

四方山話20200529

 メチャクチャ仕事があったのだが、外道の精神力を発揮して8割方片付け、残りは怒られても仕方ないという真の諦念をもって定時で帰宅した。そしてドラえもんリアタイ視聴――完了。Callingに突き動かされたとしか言いようのない一日だ。感想戦です。

 

 「キャラクターグッズを作っちゃえ!」原作回ですね。ただ、いくぶん粗削りな作品だった。そもそもキャラクターグッズを作っちゃえ? いや作るなよ!としか思えなかった。大体既存の漫画作品のグッズを勝手に作り出すとか、22世紀産のくせに知的財産権を全く顧慮しないネコ型ロボットヤバすぎひんか? その点自分のグッズをプロデュースしようとした野比のび太は推せる。ところでこの小品に思想的深みを持たせるならば、まず皆さんはクシシトフ・ポミアンの『コレクション』を手に取ってほしい。

 

 「ジャイアンへのホットなレター」これも原作回。非常にいい狂気でした。ちょっと作画がキモかったのを除けば、ここ最近で見た中では一番面白かった。ジャイアンの命令に唯々諾々と従い、嫌がる友達に「台風みたいなもんだと思え!この災難はみんなで乗り越えろ!」と凄い一体感を感じるセリフをぶつけたかと思えば、「書かないと後が酷いぞ!」と恫喝するドラのびはアーレント的な意味でのアイヒマンでしかなかった。そして最後には自分たちでファンレターを捏造する……完全に財務省理財局のやり口でした。ごちそうさまでした。

 

 さて、テレワーク疲れというものについて一席ぶちたい。

 

 5月半ばから本格的なテレワークを始めている。定時になったらパソコンを立ち上げ、諸々やって、それで適宜の時間(定時ではない)にパソコンを閉じるという感じだ。最初のうちはこれ仕事中にかなりダラダラできるやん!となってよかったし(実際かなりゴロゴロしている)、何なら昼飯食いながらビール飲むという狂った所業もできた。ところが、ある段階からテレワークそのものを苦痛に感じるようになった。というのも、テレワーク中は流石に家の外に出ることは控えなければならないからだ。これはかなりストレスフルだった。家にいることが何故そんなストレスになるのか、俺に固有の理由をあげると、今住んでいる家が騒音だらけなためです。「何の」騒音か書くと身バレになりかねないので控えるが、とにかくうるさい。イヤフォンをしていても突き抜けてくる。頭がどうにかなりそうである。

 それに、テレワーク特有の疑心暗鬼が生じるというか、果たして俺がちゃんと仕事をしているとみんな思っているのだろうか???という不安が生じる。上述の通りかなりだらけてはいるが、一応やるべきことはかなりやってきたし、何なら割と仕事も自分から引き取っている。しかしやはり会社にいる時と違って「俺ちゃんとやっているというように思われているのかな???」という不安が凄いある。あまりに辛すぎて、この前テレワーク予定だったのに有休をとってしまった。もったいない!と感じる向きもあろうが、俺はこういう人間だ。6月もまだまだテレワークと出勤ミックスが続くので、早急にこのテレワーク疲れに対処しないと廃人になりそうである。

 

 緊急事態宣言が解除されたので、建前に従って外に出てみている。本屋にも寄れるし、いきなりステーキも食うし、買い物もする。しかし人手はそんなに多くない。こんな曖昧模糊とした状態がいつまで続くのかはわからない。だが結局人間はやるしかない。やるしかないという不定形の感情に突き動かされていく。人間は続いていくよどこまでも。俺の人生では未曾有の経験となった感染症はそんな当たり前のことしか教えてくれなかった。そしてそんな当たり前すらよく分かっていなかった今までの自分が如何に無知であるかということも、ついでに教えてくれたわけだ。