死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

20210616

 前日の就寝時間は23時半と推定されます。「推定」としているのは、基本的に寝落ちしているので。エアコンガンガンにつけたまま寝るので毎日喉が痛いねえ。

 

 起床は6時半。電車でどんぶらこどんぶらこ運ばれる間と、いつものキャッフェでの時間つぶしで読書をしました。仕事は無でした(課長に「今日は静かだね」と言われたので「うるさくしましょうか?」と返した)。

 基本的に職場が嫌いなので、昼休みは一刻も早くその場所からいなくなりたくて外に出るのだけど、今日は雨が降っていたので仕方なくiPadの画面を眺めながら中華製タッチペンで赤線を引きつつ読書をした。ところが昼休みだというのに「休まない」人々が延々と仕事の話をしていて嫌になっちゃったねえ。会社の中でどうにかして一人になれるスペースを見つけたいところです(と書いているうちに一個閃いてしまった。早速今週実践することにする。トイレではない)。

 

 「ワードで作れる表をエクセルで作り計算アプリ機能を直死の魔眼で殺す」のトロフィーをゲトった後、定時に帰りました。神様ありがとう(定時に帰った日は必ず神への感謝を欠かさない人)。

 

 実は明日……有休をとりました!!!!! パフパフ~と鳴り物をやりたくなる奴ですね。とてもうれしい。6月に休みがないという日本史上最大級の問題を喝破した野比のび太への共感を抱いたまま大人になったので、6月は可能な限り有休をとるようにしています。とれなかったら全力でサボります。

 

 【ご飯】

朝:オクラ ピザトースト ソーセージ3本 野菜ジュース リンゴ

昼:チョコバー

夜:豚しゃぶともやしに梅としそと味噌をあえた奴をぶっかけたサムシング キノコとナスの何か(料理名が思いつかない) 海草 ミニトマト アサリの酒蒸し

 

 【新聞】

内閣不信任案ですねえ。政府を放伐できない鬱屈をみんなが感じているところだと思うが、最悪の政府と最善のアナーキーどっちがマシなのか考えてもいいのかもしれない。

 

 【読書】

シュヴェーグラー『西洋哲学史』を151頁まで。プラトンイデア論まで進みました。ソフィストソクラテス、小ソクラテス派までは「ほーん、なるほどね」ぐらいの気持ちで読み進めており、実際ソフィストが推し進めた主観性原理をソクラテスが徹底した上で相対主義を越え出る善の合理性に人間の意識が到達できるんだみたいな整理は納得した。ただ、やはりかなり古い著述なのでところどころ大丈夫かという記載が随所にあり、プラトンの部分でそれがかなり出てしまっているのは否めない。プラトンの思想がその著述において体系を順々に開陳していくのではなく、発展史的であるという指摘はそのとおりなのだが、その発展史の基礎となる著作の順番がメチャクチャなのである。文体統計などを駆使して現代において概ね合意のある著作順ではないので注意が必要だ。

 また、プラトンのメガラ(アテナイのお隣)への逃避によって、当時のメガラ派の思想に啓蒙されるみたいな著述があったけど、これも現代ではかなり怪しいところである。メガラへの逃避行自体はディオゲネス・ラエルティオス(DL)の『列伝』のみで伝わっている。確かにDLではメガラ派の領袖エウクレイデスの教えを受けたみたいな記載があるのだが、この記載全般がかなりの程度疑わしいし、他の伝承もない(DLは注意が必要な資料であることは言うまでもない)。たとえば田中美知太郎は「そこまで疑うまでもないだろう」としたうえで、冒頭にエウクレイデスが登場する『テアイテトス』を読んだ人間による後代の捏造の可能性も指摘している(実際それはかなりありそうな話である)。プラトンピュタゴラス派の影響を受けているのは間違いないが、メガラ派の影響というのは初耳だったのでいろいろ調べたが、どうもこれはシュヴェーグラーの勇み足ではないかというのが俺の差し当っての判断である。思うに、メガラ派がエレア派の影響を受けていたことに鑑みて、シュヴェーグラーはエレア派→メガラ派→プラトン(『パルメニデス』など)という線を繋ぎたかったのかもしれないが、流石にそれはどうなのと思ってしまいますね。逆に同時代の哲学史(たとえばツェラーとか)はどういう判断をしていたのかと興味深くなる記載ではあった。

 こういう思想史オタクが早口でまくし立てがちな部分はさておき、シュヴェーグラーの手になるイデア論の解説そのものはメチャクチャ難しかった。そりゃそうで、何故なら『パルメニデス』『テアイテトス』『ソピステス』『ポリティコス』『ピレボス』といっため難しい方の対話編からイデア論を説き起こしているからである。一と多とか、非有の実在性とかのあれです。正直シュヴェーグラーの圧縮された説明を一読して得心が行くのだとしたら当時のドイツ人はエスパーだと思いますね、はい。

 とまあこんな感じでだらだらと感想を述べられるぐらいには実りがありました。ありがとうございます。