死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

あー終わった終わった

 家庭、ついに終わりそうです。

 

 まあ、帰ってきた時に母親から「そろそろ限界」ということは聞いていた。父親の粗野な人間性に40年近く我慢してきたことを考えるとしょうがない。この国のシステム上、熟年離婚はどっちも幸せな結果にならないということだけはその時伝えたが。そして今日、ついに母親がキレた。父親はまともに取り合わず、この日は重い空気が支配して終了したが、恐らくそろそろ母親は家を出るんじゃないかと思う。その時、俺はとりあえず退職金の半分を渡し、しばらく食いつないでもらうことを考えている。とはいえ、どこに住むのか? 区のDVシェルターは受け入れてくれるだろうか? 母は友人が多いと思うが、しかしいきなり「家を出てきた。助けてくれ」と言って助けてくれるだろうか? いろいろ心配はあるが、とにかく今は父と母どっちも顔を合わせないことが重要だろう。もはや話し合いでどうこうなるレベルではないっぽい。

 

 こうなる原因は何だったのか。書きながら考えているが、やはり主因は父親にあると言わざるを得ない。典型的に酒で人生をダメにしている。俺もまあ酒でそこそこの失敗をやらかしているが、父親の酒癖の悪さは本当に最強クラスだと思う。そこに野球が重なると地獄になる。カープ好きジャイアンツ嫌いの父親だが、カープが負けて巨人が勝つと本当に不機嫌になって物に当たるわ、叫び声をあげるわする。それでテレビを1回ブチ壊しているし、あまりに奇声を上げるので隣の家の赤ちゃんが泣いてしまい、俺と母親がそこの両親に平謝りすることもあった。そして今日、カープは中日に負けやがった。9回表で2点取り返したが、追いつけなかったので、そのせいで今日の親父は荒れていた。カープは俺と母親に謝ってほしい。まあそもそも野球中継ごときで熱くなる奴は死んだ方がいいと率直に思うが。そんな奴ファンでも何でもなくて、ただ怒る原因探してるだけだろと言いたくなる。

 

 こんなことから、うちでは結構父親は触らぬ神に祟りなし的な扱いをしていた。まあ、それで結局父親が家の中で孤独感を持っていて、酒やら自分の趣味に逃げるしかないとしたら、責任の一端が俺と母親にないわけではない。しかし、そうなる理由がそもそも自分の粗野な性格に端を発するのならば、悪いがそりゃ自業自得だよとしか言えない。俺は少なくとも親父を理解しようと試みたことは何度かあったが、結局無駄だった。母親に至っては、無駄だと思っていたのだろう。それでも俺を社会に送り出す前までは我慢していたと思う。

 

 そのいい例が、俺が小学生(いや中学生だったかもしれない)の頃の事件である。父親があろうことか、浮気していたのだ。田舎の同窓会であった女らしい。母親はもちろんブチギレて即離婚ということになり、まあそれまでも地元のゴミみたいな底辺スナックで酒を飲んでは家で怒鳴り散らかすような人間で、そういう不満もぶちまけまくった。父親は父親で「じゃあもう勝手にしろや!!!!!」と離婚する気マンマンだったのだが、当時の俺が大泣きして「嫌だ!!!!!!!」って言ったのである。

 

 結局父親はスナックで酒を飲まない・浮気は解消する、そういうことでこの騒ぎは収まったのだが、最近ある一件(これも父親の酒絡み大失敗である)を起こし、それがショックでまたそのスナック(まだ潰れてなかったんかママは早く死んでくれ)に通い出したのである。まあ、そういうこともあって母の限界はとっくのとうに超えていたのだろう。今日の一件は、来たるべくして来た、そういう感じである。

 

 俺も父親には我慢していた。バラエティ番組はつまらんといってリモコンを独占して日本のクソみてえな演歌番組ばっかり垂れ流すかと思えば、もう10回は見たよという寅さんの映画の再放送を好んで見たりとか、酎ハイやハイボールを作るときに氷を必ず家族の誰かに持ってこさせるとか、休日は釣りに行って家のことはしないし帰ってきたから釣ってきた魚の処理は母にやらせるわタコを俺にもませるわ、酒に酔っぱらうと意味もなく閉鎖的な田舎に電話して毎度毎度俺が小言を言われるわ、フラストレーションは常にたまっていた。とはいえ、父親は一応俺の大学までの金を出してくれた恩もある。それに、飲んでいない時とカープの試合を見ていない時の父親はただのまとめサイト感染極右差別主義者(63にもなってまともな見識ひとつ持っていないというのは悲劇だ。高校まではそこそこの秀才だったと聞くが)なので、あまり話をしないことで放置をしていた。しかし、今日の一件で父親は母親の恨み辛みにまともに取り合う気がないこともわかった。これ以上はもういろいろとやっても無駄だろう。

 

 当然の理だが、俺は母親につく。父親は帰りたかった田舎に帰るなり何なりすればいい。アル中になって適当に死ぬだろう。クズにはふさわしい末路だ、母親(俺にとっては祖母)より先に死ぬという親不孝さえしなけりゃもうなんだっていい。財産分与も適当にしてもらいたいが、家はローン含め引き取りたいと思っている。とはいえ、親父が家を分捕る可能性も踏まえ、早急に俺自身が就職を決めて財政を立て直し、母の面倒を見ないといけない事情も出てきた。俄然えり好みしない就職活動が求められている。しかし前職があまりに特殊だったのでポータブルスキルに乏しい。どうすればいいんだ俺は。実は意外に詰んでいるのではないか。そうなったら殺してもらうしかない。そうだ、殺してもらうのはいつだってできる。俺はやる、やりたい、やらなくちゃ、それはカス。俺は俺のリアルを信じるぞ。