死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

酒と脂の許容量が著しく減退している27歳童貞実家住み年収400万円男性のおっさん語りと読書記録1109~1114

 金曜日、久々に早退してサウナをキメて気持ちよくなったのでいっちょ酒でも飲んでやるかと思い、某やきとん屋で中瓶ビール1本+ハイボール1杯+甲類焼酎2杯を呷った後、気持ちよくなってさて帰るかと思ったところに友人とばったり合流し、その友人にそこそこいいバーでお酒を2杯ご馳走になり、そして最後に鳥貴族で知多ハイボール3杯(か4杯)を飲んで終わったんですね。

 これ、たぶん2年前だったらなんてことはなかったんですけど、この歳になるとマァジで辛かったです。まず電車で寝過ごした。普通に自分が降りるはずの駅から6駅ぐらい先まで行っていて、あと1駅乗り過ごしていたらタクシー帰り一択というとんでもない分岐点まで行ってましたからね。何とか奇跡的に帰宅することに成功し、その日はそのままグースカピーでした。しかし、目を開けた瞬間から何もかんもキツい。胃はお酒がチャプチャプしているし死ぬほど頭も痛い。身体を起こそうもんなら地獄の釜の蓋が開くような心持ちになり、グググ……と唸って土曜日が終わりました。マジで最悪過ぎた。もう俺は外で飲みに行く時はビール5杯以上の酒は飲まないと心に誓いました。もうしばらくお酒はいいやという気持ちすらある。

 そして本日。夕飯がもつ鍋だったのですが、マジで脂がきつくて途中で何度も吐きそうになった。昔ならこの量はペロリと食べられたのに……。

 そういう意味で今週もまざまざと老いを見せつけられましたよ。そういえば最近髪の毛も薄いです。あと節々が痛いです。病気が小康状態なのが救いですね。もう明日も休みたいけど、明日は超重要会議が控えているので行かないとですね。トホホ……。

 

 そんなこんなですが、読書記録を簡単にものしておきます。何かここのところ新書ばっかり読んでいるのですが、それでええ。暇潰しに古典も新書もあるか。俺はとにかく生きて読むぞ。

 

 日曜の午前中と午後を使って読み切りました。正直スペイン史というのは明るくなくて、レコンキスタレコンキスタレコンキスタ~(サンホラ脳)か、18世紀のヨーロッパ列強デスバトルで貧乏くじばっかり引いてるなぐらいのイメージしかなかったのですが、結構面白いやんけと思いましたね。我々が勝手に思っていたところのスペインというのは割と近代的な観念で、アラゴンカスティリャの両君体制とかをスペイン王国と言うのは微妙であり(なぜなら両国の制度がそのまま統合されずに生き残っていたので)、これは「複合君主政」として捉えた方がええんやでという指摘はなるほどなと思った。その他、やはり近代あるあるのお国自慢歴史叙述(著者はこれをナショナル・ヒストリーと呼ぶ)を相対化しようという著者の頑張りを随所に感じました。

 

 所々にインターネット冷笑部系的な皮肉があって面白かったですね。前半は正直普通のドイツ概説史(といっても、著者がこれまで取り組んできた「青の国際派」やダールベルクなどのエッセンスも盛り込んでいて、差別化はできていると思うが)という感じで、「普遍」対「固有」というテーマ設定をもう少し掘り下げてもよいんではと思いましたが。やはり後半で謎の勢いが生じてきて、20世紀ドイツを席巻したアカデミズム内の紛争を語る時の生き生き感はよかったと思います。ノルテとかはともかく、ヴィンクラーとかヴェーラーの立ち位置を正直よく分かってなかったので大変勉強になった。

 日本で読書もののエッセイを書かせたら五本の指に入るのではという人の最新著作ですね。江戸時代の異常随筆からヨーロッパ精神史まで幅広く目配せしている該博さには驚くばかりです。このブログでも幾度となく読書と記憶(あるいは物忘れ)の話をしているので、共感できる部分も多かったなと思います。やはり個人的には西行のエモ話より、メチャクチャ異常な記憶力(と記憶を把持するために異常なまでの集中力を傾けた)柳田国男が最晩年になって物忘れが酷くなっていくところに人間を感じてしまいましたね……。

 若い書き手の強い本です。飼い葉桶の刑(ググってくれ)にそこまでの異常な読み込みをする奴がいるのかとビックリしました。あと、この手の研究におけるサイードの影響力というのを改めて実感させられた次第です。