死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

レポっす202311

 久方ぶりの更新です。ホント久しぶりなので現状報告します。

 

 本当は書きたいテーマのエントリが何個かあるのです。 書いては消し、 書いては消しを繰り返して虚無になった記事のドラフトがいくつかあるのですが、未完のままうっちゃっています。 未完の帝王フェルナンド・ペソアみたいなもんや( ペソアのそれは未完なりの趣があったのかなとは思うが)。

 しかもこのエントリの下書きは職場で暇な時間を見つけては細々と書いています。理由は後述する。 というわけで現状報告いってみよう!

 

 お仕事。部署が変わりました。 ホント転職と同じぐらい業務内容が変わってしまった。以前は人間と人間の間で四則演算らしきことをした挙げ句に諸々を ぐちゃぐちゃにするという仕事(体よく言うと「調整」あるいは「 折衝」)をやっていたのだが、 今は何かまあ人間以外のものを気遣う仕事をしています。 あったかくないケア労働2023。

 最初の頃はなんのこっちゃ、みたいな感じだったのだが、 3ヶ月も経つとだんだんと業務にある程度の土地勘が生まれ、 そこまで苦労はしなくなったという感じです。とはいえ、 正直この仕事死ぬほど面白くないっすね。もちろん、 面白そうな仕事だと思って入った1社目(激ヤバブラック企業) に脳を破壊された経験を思い起こせば、 仕事の面白さなんてのはクソ食らえでまずは待遇だよ待遇、 という話になるわけだが、 かといって仕事自体が絶望的に面白くないとそれはそれで人格破壊されちまう んだろうなと思い直している。

 ところでさらに贅沢な悩みがあります( 他にも嫌だなと思うところは主に人間の関係でいっぱいあるのだがとりあえず割愛する。一言だけ言うと、俺は社会生活に向いていない。)。 仕事が超絶暇すぎる。これ何故かといいますと、 1人メチャクチャ仕事をしている人がいて、 その人がだいたいのことをやってしまうので暇というわけですね。 灰原殺された時のナナミンみたいな気持ちになっています( ちなみにこの職場に夏油はいません。)。 俺も早く虎杖ポジみたいな人に「後は頼みます」 っつって死にたい。

 ま、そういう状況なので当然この人から仕事はもらえないわ、 少ない仕事を他のやる気ある人たちがハイエナの如く仕事を取り合 っているわ、なんやかんや色々なことがあり、 結局暇なままになっています。 かつてこの職場を暇すぎるという理由で辞めていった人がいて「 うわマジかよ」と若干ドン引きしたのですが、 今になってその気持ちがわからんでもない。 極めて変な言い回しをするが、「制約された無為」 というのは存外辛いものである。いや、ある種の「余計」 さを引き受けることの苦しみと言い換えるべきかもしれない。

 ここまで書いて、 こういう気持ちを感じる程度には自分も社会に飼い慣らされているんだなぁと気づいた。それはそれで、 悲しいことだが受け入れざるを得ない。が、飼い慣らされたとて、 労働が辛いことには変わりがないのだからどうしようもない。

 そんな暇ならテレワークで暇つぶし三昧すれば、 と思う向きもあろうかと思うが、そうは問屋が卸さない。 テレワークの際にはその日予定している業務と、 その進捗報告を求められるのだが、 報告する業務なんて与えられてないので、 何もすることがない以上「詰み」なのである。 一回それをやる羽目になったのだがマジで何を報告すればいいのか分からないので、適当に業務内容で「調査」 って書いたことがあります。公安調査庁か? なお、調査=Googleで無限ネットサーフィンa.k.a令和版OSINTのことです。

 そんな事情もあって、 結局暇すぎても会社には出てこなきゃいけない。そこで、 窓際社員にとって死活的に重要なナレッジである「バレない暇つぶし」を考える必要が出てきた。 今の部署の部屋は狭くて、 よく俺の後ろを至近距離で人が通るため、 あまりにも業務に関係のなさそうなサイトは見られない。 ウェブサイトのデザインがキラッキラとかゴチャゴチャしていると 「こいつは何をしているんだ?」となるからだ。あと、 下手に会社PCのウェブブラウザに広告オフのアドインを入れられないので、 ゲームのサイトとか巡回しているとビビッドアーミーのおっぱい強調広告とか出てきてうんざりする(ガリバー旅行記ガリバーが巨人のおっぱいを見て「うっわくせえしぶつぶつだらけやんけ!」 とゲンナリした時以上に辛い気持ちなっている。)。 往年のテキストベースの無味乾燥な面白サイトが懐かしいネ。

 そこで思いついたのが、 官庁の報告書をひたすら読むというもの(統計の取り方とか、AIの報告書とか、そういう奴)。 まあ面白いテーマのものはあるのでそれなりに読めるのだが、 早々に飽きてしまった。というのも、 霞ヶ関の役人さんは自分たちが描いたシナリオを学者にぶん投げて無理言って取りまとめさせ、 それをアリバイ作りで活字にしているだけなので、 読者の知的好奇心を満足させようという気持ちがとことんないのである。 もちろんそんな虚無に対して過剰な期待を抱くこっちが悪いことは間違いない。

 さらに暇つぶしのレベルを高めて、ciniiやらリポジトリやら で見られる学術論文を読んだが、 今度はこの読解にそこそこ頭を使うのでしんどい。 改めて自分のおつむの衰えを痛感した次第である。また、 難しいからといって読むのに没頭してしまうと、(業務っぽい仕草である)キーボードカタカタを全然しないので「こいつは何をしてんだ……?」という疑念を与えてしまうことが分かった。 結局人間はキーボードカタカタでしか業務状況を把握していないっぽい。 なのでこの知的営みも自然とフェードアウトしてしまいました。

 チェスとかマインスイーパでもやったろかなと思ったら、 流石に社用PCではできないように設定されていた。かなし……。

 この後、英語のWikipediaを読む( 一目見ただけでは分からないはず……)、とりあえず暗記している YOASOBIの歌詞を限界までタイプして答え合わせする、 意識高い青年なのでパレスチナ問題への関心を高めるなどの、 試行錯誤をしている時にふと「あっ、 死者の如き従順のエントリ書きゃええやんけ」 と思い立った次第である。 つまりこのエントリは太平の逸民による壮大な暇つぶしの所産である。

 

 というわけで仕事はそんな感じです。これやっぱダメだよな……。仕事のこと書いていると辛いので、趣味にいきましょう。

 まず読書。漫然とやっております。 今年に入って大体120冊ほど読んだ。 今年はほとんど法学的なものは読まず、文学や哲学、歴史などの「 人文学」関係に関心をシフトさせている。 結局暇な時に読むものとしてはこれらがちょうどよいということに 気づいたからだ。今ちょうど『全体主義の起原』を読んでいる。 反ユダヤ主義( 相変わらず第3章のプルースト読解にキュッとさせられる。 あれはオタクコミュニティ論としても読めるので。) を2日で読み終えたので、今は帝国主義を読んでいます。 しばらくアーレントの読み直しとか、 そういうのをやろうかなとは思っている。 20世紀思想やり直し熱は結構自分の中で高まってきている節があるので。

 とはいえ、 こういう本を読んだところで俺の頭はちぃっともよくならないし、 思考が未だに中道右派より左にwakeしないあたり、 そもそも俺には批判的思考とか優しさとかが欠けているような気がしてならない。いつも「ほへえ地球には頭のいい奴がおんねんな」 とか「こんな面白いテーマがあるんですねえ」 みたいな無批判な感想を覚えるぐらいが関の山で、 何らかの行動変容とか思考が変わるということとはとんとご無沙汰なのである。

 あと漫然と読み流しているためか記憶への定着もよろしくない。 この前大学生の時以来久しぶりにアーレントの『過去と未来の間』を読んだのだが、 前半の2章はブリリアントな議論をしていたような記憶があるけど 全く内容を覚えていないので、結局また読み直さないとなぁ、 と思っている。他にも、スピノザの『エチカ』とかプラトンの『ゴルギアス』 とかも夏頃に読んだけど大して覚えていることはないんですよね……(キーワードとか論旨とかは朧気に覚えているが、 どうしてそういう論理展開になったのか説明してくださいと言われると結構困るぐらいの記憶。)。 最近忘却対策として手帳1ページ、 多くても2ページぐらいの読書ノートを残すことにしている。 これ以降詳細なものにすると継続が困難になるのでなるべくこの範囲に収まるようにしており、 覚えておきたいこととかはかなり厳選している。 もはや自分の脳に対して一冊の本を丸々覚えようなんていう贅沢は 望むべくもなく、できることをこつこつやるしかないというのが、 限界記憶力じいさんとしての自分にできる精一杯である( 実は29歳にして頭が禿げ上がってきているので、 一足早くじいさんの仲間入りや。)。『全体主義の起原』 なんかだと書き抜きたい箇所がたくさんあるが、 書き抜くだけで2時間以上かかりそうな気がするのでそれは断念して超絶適当な要約でとどめた。

 効率的な記憶定着のためには、 関連するテーマの読書を継続して続けた方がいい気がするのだが、 どうも自分の中でのテーマが定まらず雑食的な多読を行っている。 自分が読書を通じて何かになるなんていうおこがましい考えはとうの昔に捨て去っているので、 致し方ないと半ば諦めているところではあるのだが、いわゆる「本に読まれている」状態な気がして落ち着かない。とはいえ、 正しい読書なんてのはあんまりないので、 適当に読んでいくしかないのかな……。 かつてサークルの読書会で曲がりなりにも強制された精読という経験が今や遠い昔のことだ( といっても精読したからといって覚えているわけでもない。 記憶って難しいネ。)。

 さらにいうと、最近本を買うのがとてもおっくうになっている。 というのも、我が部屋の本の収容限界が到達して、 そろそろ本棚を整理しないといけないのである。 この状況で新刊を無批判に買って積ん読を増やしてなるものかと思っているのだが、 ちょいちょい新刊を買ったり古本屋で安い新書を買い求めたりして しまっている。バカですね。とにかく、 少し自分の蔵書と真剣に向き合わなければならないなとは思っているところ。

 読書以外で通年でやっている趣味、はあんまりないかもしれない。 最近は意識して旅行なり観光なりをしようと思い立って実行に移している。正直メチャクチャ疲れるし、 安月給なのでどんどん貯金を削る羽目になるし、 いいことはあんまりないのだが、 他方で元気に動けるうちに日本のいろいろなところを見て回った方がいいだろうと思っている。10月には大阪等へ赴き、 日帰りで横浜や三浦海岸を見るなどした。 車の運転についてはまだ全然で、未だに標識で迷う・ 首都高に翻弄されるなど苦労しているが、 とりあえず長距離運転に慣れていきたい。 目標は車の運転で東北地方まで行けるようになることである。 来年くらいになったら、山形の銀山温泉とか、 大分の湯布院とかに行ってみたいな~とは思っている。

 あとゲームは面白いのがあった。もちろんBethesdaの大作 『Starfield』は1ヶ月は夢中でやったのだが……唐突に虚無感が生じて現在無期限塩漬け状態である。まあ、これはMOD とかDLCが出てから、っていうのもあるでしょうね。 いやゲームとしてはメチャクチャ面白かったが、 長続きするかというとかなり微妙な気がした。 今後のコンテンツ拡張に期待である。それとサイバーパンク2077を積んでいたのですが、DLC配信にあわせてやってみました。 2.0環境でようやく俺にとっても楽しいゲームになり、これに100時間以上は注ぎ込んだかな。 今はどのゲームもやる気がなく読書ばっかりしています。GTA6が出たらやることになるでしょうが……。

 映画、今年はあんまり見られていない。『キラーズ・オブ・ザ・ フラワームーン』はよかったなと思うので、 原作のノンフィクションも読みたい。 強固な差別意識と金勘定が複合した結果としての非人間化が極限ま で進行していく過程がよかった。 もちろんオセージ族が非人間化の一番の被害者なのだが、 同時にディカプリオやデニーロら演ずる欲得づくめの白人たちも「 非人間的」な形象を帯びていくのである。スコセッシ君、『 シャッターアイランド』 とかもそうですけどディカプリオに人間破滅ものやらすの好きね……。

 Youtubeは相も変わらずたくさん見ています。 オモコロチャンネルばっか見てる。 あと姉妹チャンネルふっくらすずめクラブ。 前者は陰キャオタク君好み、 後者は女性ウケも狙っているという感じでターゲティングが全然違うが、どっちも興味深く見ている。 何故なら演者に俺と近いインターネッツの感性を感じるので。 でも、 オモコロでみんなが楽しそうにボードゲームしているのを見ると俺がいかに友人が少ないかを痛感して虚無になちゃうねえ。 あとは宅飲み系のチャンネルとかキャンプ動画とかそういうのを見 ています。

 現況はこんな感じです。 つまんねえ20代後半の人生を送っていて、 果たしてこれでいいんだろうか、 30になってからもっと虚無みたいな暮らしをするんだろうかと不安になってしまう。しかし、 ずるずると現状に流されているのが実情。悲しや。

 

 とはいえ、今は何とかできることをやろうかなと思っています。30になったらとことん人生を面白くしてやろうと思っています!!!