死者の如き従順

脱落者・敗北者・落伍者と連帯するブログ

20240223

 今日(というか執筆時(2/24)からしたら昨日ですが以下記述は便宜上今日とします)はほとんど何もしなかったっすね。

 

【ニュース】

 今日は何も琴線に触れることがなかった。

 

【読書】

 1ページも読まず漫然と寝っ転がってYoutube見てました。

 

【映画】

 思い立って、地元のシネコンのレイトショーでガイ・リッチーの『コヴェナント』を観てきました(ちょうど今日公開された奴)。これ普通に近年の戦争映画ではかなりいい線行っているのではと思いました。『ハート・ロッカー』以来の胸にずしんとくるタイプの奴ですね。ガイ・リッチーってこんなのも撮れるのかよと素直に驚いてしまった。

 あらすじ(以下からガンガンネタバレします)。アフガニスタンに派兵されたグリーンベレー(と思われる)のキンリー曹長(ジェイク・ジレンホール)が、タリバンの即席爆弾(IED)工場を突き止めるための作戦にアフガン人の通訳であるアーメッド(ダール・サリム)を随行させる。アーメッドは単純な通訳にとどまらず、タリバンに協力するアフガン人を懐柔したり、彼らの嘘を見抜いたりして、キンリーの部隊を何度も手助けする。アーメッドはタリバンに息子を殺されており、妻とそのお腹の中にいる子どものためにアメリカのビザを取るという目的があった(アメリカ政府はそのような約束のもとアフガン人の協力を得ていた。)。アーメッドの協力を得て、部隊はIED工場を突き止めて制圧するも、そこをタリバンの大部隊が急襲し、キンリーとアーメッド以外は全滅する。多勢に無勢で地の利も向こうがあるという状況の中、キンリーとアーメッドはバディとして窮地を乗り越えていくが、とうとうキンリーが銃撃を受け重傷を負う。アーメッドはそんなキンリーを見捨てることなくアフガンの峻厳な地を100キロ以上も運んで彼を救助する。キンリーとアーメッドは英雄として扱われるも、アーメッドはタリバンの面子を潰したためにアフガン国内で追われており、未だに身を潜めていた。アーメッドと家族のためにビザの獲得に奔走するも官僚的手続に阻まれたキンリーは、命の恩人であるアーメッドが自分を助けたために今もなお怯えて暮らしているという事実に自身も苦しむようになる。そしてついに彼は家を担保にして借金し、民間軍事会社と契約してアーメッドたちを米国へ連れ出すためにアフガンへ戻る――、というもの。

 題名のコヴェナント(仮に訳すとすれば、ホッブズじゃないが信約だろうか)がまさに本作の鍵概念である。アメリカ政府の空手形に等しいビザ発給の約束も、民間軍事会社との契約も、アーメッドやキンリーの命を救っていない(後述するように民間軍事会社は2人の窮地を救うのだが、それは明らかに金に基づく契約がためでなく、2人がアメリカにとっての英雄でタリバンの仇敵であるから助けたというのは作中描写から明らかである。)。最終的には相互の間にいつの間にか醸成された信頼関係をもとに、見返りを期待しないアーメッドの利他的な行為から始まったコヴェナントが、キンリーをアフガニスタンに舞い戻らせたのである。また、アメリカの遅々として進まない官僚的手続きをショートカットしてビザを発給させたのは、キンリーがかつて指揮官のヴォークス大佐を助けた「命の恩人」であり、大佐がその借りを返したことが示唆されている。これもまたコヴェナントの一種である。そういうコヴェナントの連鎖の結果、この映画ではアーメッドと家族は無事アメリカへ行けることになるのだが、現実ではタリバンが政権奪還後300人以上のアフガン人通訳が殺されており、数千人が身を隠す羽目になっているというテロップが表示される。無数のアーメッドを救うためのコヴェナントはどうなっているのか、という重い問いかけが映画を観る者にのしかかる。実際、本作のエンドロールでは米兵とアフガン人通訳が仲良く写っている写真が何枚も流されるので、改めてそのような現実について考えさせられることになる。

 また、本作は、典型的なwhite saviorの図式を反復していない点は評価できる。これでキンリーが何でもかんでも一人でやってアーメッド一家を助けてたらwhite saviorとなるが、本作で強調されるのはキンリーの無力さである。アフガニスタンに潜入してからも、キンリーは基本的に他人(民間軍事会社のパーカー→アーメッドの弟→タリバンの検問を通れる運転手)の助けを数珠つなぎしながら、アーメッドのもとに辿り着く。最終盤でアーメッドたちを捕まえようとしてタリバンが大攻勢を仕掛け、キンリーたちは弾切れになる窮地に追い詰められるが、それを救ったのは窮地に気づいたパーカーが米軍に要請したAC-130Hスペクター・ガンシップによる航空支援であった。キンリーをランボーのように描かないという姿勢は、この映画を単純なバカスカ撃って問題解決という頭空っぽ映画にとどまらないよう位置づけることに成功している。

 映像について、総じて抑制的なシーンが続くが、それでもキンリーの部隊が全滅するシーンやいくつかの戦闘シーンなどは、流石ガイ・リッチーという感じの、引き締まっていて緊張感があり見応えのあるものだった。また、ジェイク・ジレンホールとダール・サリムの演技は卓越している。部隊が全滅した後に、キンリーが感情を押し殺して何度も髭をこすっているところに、声をかけようとしてかけられないアーメッドのカットバックはとてもよかったですね。キンリーがアフガンから帰還した後に見る数々のさかさまになったフラッシュバックは、まさに価値観や認識そのものが転変するような帰還兵の重層的な苦しみを表しているようでこれもなかなかグッときた。

 

【動画】

youtu.be

 こういう狂った飯の食い方がしたいンゴ!!!!!!! これとは別にレインボーのコント用のチャンネルでケンタッキー1BOXを両方が食うというのも見たのですがジャンボも池田もどっちも食えるのホンマ羨ましすぎるっての。

 何か今の俺は昔より全然食えないのに体重だけはずんずん増えていくので、よっぽど燃費のわりぃ体になっちまったんだろうな。